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2012年02月06日 20:02

気を沢山養って

一度羽を休ませます


羽が呼吸をとめ

静かに

地に吸い込まれると

粉々になった硝子細工と



錆びた歯車

見たこともない螺子

尖った棘

重い音があたりを支配して


ばらばらと

悲しい音を立てて

すべて大地に還って行きます

それらの断片ひとつひとつに

記憶と

思い出はあり


そのすべてに

物語がありました



やがて音が止み

舞い上がった砂埃をひとしきり風が連れ去ってしまうと


羽の持ち主は目を覚ましました








新しい羽



その羽の持ち主は旅人でした

彼 或いは 彼女は

次に始める旅で


新しい翼を作ろうと

考えているようです
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精神

2011年10月15日 00:01

私たちが生まれたこの世界は

精神なしには有り得ない

そして

作られた既存の概念・価値観・美徳・構造なしには有り得ない

両者は共存しつつも

乖離している


これらは常に均衡し

競合し合わなければならない

どちらに重きを置くかは

時代及び人が選ぶだろう


私が生まれついて与えられた宝物は

決して装飾ではない

主によって形はそれぞれでも

滾々と湧き出るどこまでも透明で澄み切った力強い流れは

種を別とするものではない。


この
人が「理想」とも呼ぶ世界

これは

誰しもの源流であり

あらゆるものの内部で今も大河のように流れ

息づいている


故に

時代がどれだけ流れたとしても

常に洗練され

後者のように

形だけの飾りとなることはない



この世界の成れの果てが

黙示録の示す通りであるならば

この大河の枯渇こそが

その時の到来である。






聖エルモの火

2011年10月11日 02:02

導き手を僕は知らない

今僕のまわりには色々な道があって

でもひとつを選んで選択している


多分今僕がしたいこと

誰かにできること

その準備にもなること

すべてが重なっているから

それでいいんだ

ただ

自分らしくありたい

けど

自分らしさってなんだろう

誰かが知ってるの?


たまに埋もれそうで不安になる



心が休まらないのは何故?

癒しはあるよ、どんなに小さくても掴んでいる


こうやって吐き出していることすら

まだ子供なんだろうか






やるべきことは見えてる

やりたいことも

それに向かって走ってる最中

前より余裕もでてきた

なのになんなんだろうこの焦りは


車輪を回しても

重いんだ

荷物の中身

一体何なの?





「思考よ、あなたに聞こえますか?」

「私の声が、聞こえていますか?」

「そして、見えますか?」


ぽつん。








誰か、答えてよ。

その理由を。

雷雨が、続いている。


光のある夢 夢は現実

2011年10月04日 00:09

「早く

その殻を破りなさい」



小さな卵の

小さな小さな窓から

光は射して


恐る恐る

少年は

外の世界を見ていました


そこには

暗闇と

温かい光の中に一人のピアニスト

そして

オーケストラ


暗闇からは

様々な声がただただ静かに流れて

その視線は

光の中へと注がれています


ひとつの世界が

紡がれ始めました


一人のピアニストの

両の手が

指の一本一本が

世界を

オーケストラのそれぞれが

あらゆる楽器が

世界を

一本の棒が

世界を

語り

描き

呼吸をして

世界を

丁寧に

ときに激しく

ときに優美に

ときに悲しげに

ときに勇ましく

織り上げてゆきました。


少年は

見たもの

聴いたもの

感じたもの

その全身で受け止めたものすべて

そのすべてに名前があること

そのすべてにいのちがあること

そのすべてに答えがあること

そのすべてに意味があること

そのすべてが必要なこと

そのすべてが世界であることに

まず

驚きました

初めて受け取った世界に

彼は虜になってしまいました

いたく感銘を受け

憧れを覚え

光の中

そして暗闇

すべてのものが光に感じられて仕方がありませんでした



憧れは

憧れのままにしてはいけない

夢は

全てが現実になり得る

それをまだ彼は


知らずにいるのでした




「殻を早く破りなさい」


「次は」



「あなたの世界ですよ」

間-------そして扉の音

2011年09月28日 16:41














「ただいま。」


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